確定申告期という、税務署において最も重要といえる時期のさなかに、国税庁長官が辞職をすることになったようです。

原因は、国税庁の業務にかかわらないことのようですが、本当に驚きました。

これで、現在の国税庁長官は一般人となり、公務員ではないため、国税運営にかかる責任から開放されたことになります。

後任は立てずに、国税庁次長が業務を行うようです。この時期に、国税庁長官の引き継ぎ人事まで行っていたら、3月15日の確定申告自体が持たない可能性がありますので、当然のような気がします。

辞任の理由の一つに、一度国会に提出された文書とは別の文書があったことにのようです。いわゆる「二重文書」というものでしょうか。

税務調査においても、「二重帳簿」という表現があります。帳簿書類を2種類作成し、一方には事実を記載し、もう一方には、事実でないことを記載する。
仮に、税務調査を受ける人が、事実でない文書を提出すると、税務署に対する「仮装の文書の提出」という判断を受けることがあります。そういった場合には、重加算税について税務署が検討することになります。後に真実の文書が出てきたりなどすると、それはそれは大変なことになります。

担当者の自殺や長官の辞任など、そういった影響を感じました。

正直なところ、なぜ、こんなに遅いタイミングで、真実かも知れない新文書が国会の場に登場したかということです。ここには、内閣と官僚との不協和音を感じます。

かつて、民主党政権時代、官僚の権益を取っ払おうと民主党ががんばったところ、官僚は抵抗をしました。そして、なぜかその頃から民主党政権の大臣のスキャンダルばかり報道されるようになりました。

それもあって、民主党には政権を担当する能力、実行する能力がないかと思われ、自民党政権に戻るきっかけとなりました。

局長が、いきなり庁の長官というあまりにも栄転すぎる人事には、常日頃仕事を頑張っていた官僚からのねたみはなかったのでしょうか。栄転の基準を再考せざるを得ないような人事に、腹が立って夜も眠れない官僚だっていたような気がします。

私は現役時代、出世欲もありました。同期入社の人より、半年でも係長になるのが遅れただけで、1ヶ月ぐらい引きずっていました。今、民間人の経営者になって考えると、全く馬鹿らしい話なのですが、その頃の私にとってはとても大きな問題でした。

とにかく、真実と思われる文書が出るタイミングがおそすぎるのです。現在も出きっているとはいえませんが、このタイミングで出てくるということは、どこかに「官僚のねたみ」があるような気がしてなりません。真実は全くわかりませんが。。。

このような官僚のねたみは、「内閣人事局」という制度がもたらした可能性が大いにあると思います。内閣が官僚の人事を大きく握るようになってしまったのです。民主党政権は官僚と対立しましたが、現政権は官僚の人事を牛耳るというシステムを作ったのです。どちらも、内閣にとにかく従わせる官僚をそだてる構想です。

現在の総理は、失業率を改善させ、物価の向上にも取り組み、日本国の国力を高めてくれたと思っております。素晴らしい方だと思っております。ただ、もうちょっと官僚と仲良くしてほしいし、官僚の気持ちを考えて、重厚な次期国税庁長官が決まればいいなと思っております。

私自体が役人だったこともあり、役人を批判する気になれないところがあります。役人13年、税理士5年の人生では、まだまだ役人びいきの考え方が抜けないのかもしれません。